京太と蝶子の出会いと、巻き起こされる騒動の数々。
蝶子が門前のじーちゃんに騙されたり、精神獣を制御する丸薬の効能が意外なものだったりして、京太が後始末に奔走します。
自分のゆがんだネガティブ思考に踊らされるナルシスト、東山檀も登場、姉の楓と蝶子を狙う謎のグループも現われて……2巻に続く。
にし保育園に入園した蝶子は保母さんのストレス解消が目的としか思えない不審人物撃退予行演習や遠足でのにし保育園流オリエンテーリングに楽しく参加します。
他に天狗が再び精神獣を何とかする丸薬を持ってきたり、謎のグループからの刺客が次々に蝶子を狙ったり、スリリングな毎日の連続ですが、胃に穴が開いた様子がまったく見られない京太の図太さもなかなかのもの。
また、家庭教師を付けられて本格的なお嬢様教育を行うもあまりの天然ぶりに家庭教師が逃げ出したり、「昭和枯れススキ」を地で行く誘拐犯人に誘拐されたり、歯医者デビューを果たしたりして、子毬山時代のようにやりたい放題できない環境に置かれているのを蝶子は自覚……しているかどうかは不明のまま次の3巻へ。
過去2回の失敗を鑑みて、ついに子毬山の住職が動きます。精神獣が本人の精神・思考に左右される存在ならば、精神獣を無害化するために本人の精神的修練が必要と考えて蝶子の数珠に念を込めました。
しかし、蝶子はことの重大さに全然気づいていません。しかし、住職は心得たもので、京太にお目付け役を任せます。京太は猛反発し、一刻も早く数珠の呪縛から逃げ出そうと蝶子に訓練を施しましたが、空回りに終わります。
それでも京太は諦めずに子毬山に向かい、数珠をなんとかしてもらおうとしました。実体験と住職の講話から気長に蝶子本人の自発的意思から精神獣を制御してもらうしかないことがわかっただけでしたが。
その後、蝶子はアイドル・元気っ子両コンテストへの出場も果たし、クリスマスのエピソードを経てちょっと成長。
謎のグループも久々に登場して誘拐のチャンスを狙うも、電信柱の崩壊で誘拐を断念した事実を蝶子と京太は知らないまま、4巻に。
「雪の日」「父の日常」というある意味番外編を挟んで、ついに謎のグループが蝶子誘拐の強硬手段に出ます。
京太は謎のグループに関する情報を檀から得て、檀の祖父の家に乗り込み、蝶子の救出に向かいます。
話はクライマックスに向けて盛り上がり、羽鳥・飛鳥の2人の天狗に元締めの住職まで天狗モードで謎のグループ…俗に言う「はぐれ者」たちと直接対決へ。
そして、「はぐれ者」の思惑は打ち砕かれ、蝶子も曲がりなりにも精神獣が制御できるようになり……いつもの騒がしい日常に蝶子と京太は戻っていきました。
ある日、友達と別れた蝶子は公園で空想上の家を作ります。
蝶子の部屋の横に京太の部屋を配置し、京太の両親にも部屋を用意、佐方の部屋も増築しました。もちろん、羽鳥・飛鳥・住職・鴉のために大きな部屋も用意してあります。
京太と佐方に家の中を案内していましたが、謎の部屋が1つありました。当然、佐方が誰の部屋なのかを質問します。蝶子は無邪気に答えました。
「ちょーこのだんなさんのへやー」
木の上にいる羽鳥・飛鳥も含めて4人が一瞬絶句します。飛鳥はだんなさん候補を闇討ちしようとして羽鳥に止められ、佐方は「娘の結婚に反対する物分りの悪いガンコオヤジ」と化し、京太はあきれていました。
…遠くから蝶子たちを見ていた檀は「ボクの部屋は無いんだね…」とただ涙するのみでした。