あの日あの時あの場所で 君と会わなかったら 僕らは いつまでも 見知らぬ二人のまま
……っと。
偶然なのか必然なのか……御守諒平氏は、父の居酒屋での他愛のない会話から、天外屋の管理人を任せられそうになったので、謹んで辞退しに天外屋に出かけました。
噂の天外屋の前で悩んでいると、肘鉄を食らって気絶。
はっと気がついたら、喫茶「花小町」の一室で膝枕されてました。椿に一目ぼれした諒平。恋のはじまりです。
しかし、天外屋へ行ったら、印石を体内に埋め込まれ、あんじゅの護り部としての役目を強制的に担わされました。
……受難のはじまりです。
諒平はとりあえず現実逃避してみますが、椿との出会いまで幻になってしまうことに気づいて悩みます。
そうこうしているうちに、印石に蓄えられるエネルギーが切れてしまい、エネルギー補充のために諒平は再び天外屋に連れ込まれました。
温泉に浸かってエネルギーの補充を受けつつ、あんじゅから詳しい説明を聞きますが、諒平はあっさりと断定しました。
「お前らの親玉が大間抜けなんじゃないかッ!」
かくして諒平は現実逃避を止めたのだが、問題は諒平の父。
天外屋の面々の話で、天外屋の爺さんが他界していることが判明した以上「天外屋の管理人を引き継いでもらう」という約束も無効になる……はずでした。
ところが、影法師が現れて、天外屋への「通勤」するのは危険がいっぱい、ということで御守家はいやがうえにも天外屋に住み込みで管理人をやらざるを得なくなりました。
諒平の父がちょうど無職(?)だったこともあってすんなり次代天外屋管理人が決定しましたとさ。
その後、天外屋の住人達が持つ「神来」なる力の一端が垣間見えたり、「護り部」としての諒平が初陣を飾ったりして1巻終了、2巻へ続く。
この道我が旅 果てしなく続く 出会いと別れを繰り返しながら
……っと。
ようやく、御守諒平氏は、現実を受け入れ、現実と付き合うようになりました。最大の理由は間違いなく喫茶「花小町」の看板娘・椿ちゃんの存在でしょうけども。
しかし、諒平に早くも災難発生。「天外屋の住人なら何でもアリ」という噂に基づいているというだけで、校長先生の純金万年筆盗難事件の嫌疑がかかってしまったのです。
1人の男子生徒の胸元に黒いモヤがにじみ出ているのと、朱辿の援護射撃とあんじゅとの「精神感応」、ナウく表現するならいわゆる「テレパシー」であっさりと真犯人を特定し、天外屋にまつわる噂話を逆手にとって犯人の小坂君を懲らしめて一件落着。
続けて竜胆の悩みの解決に諒平空回り、椿ちゃん大活躍のあと、安峰川夫妻・天外屋に帰宅す。
この作家さんが、天外屋の住人らしくなかなかの曲者で、天外屋の面々を恐怖のどん底に突き落とす。でも嫁さんの菊子さんが掌底一発キメたら、正気が戻り、原稿をあげさせてこれまた一件落着。
昔話のパターンの一つの「動物の恩返し」を忠実に実践する安峰川先生のおかげであんじゅの夢も守られてめでたしめでたし。
……とまぁ、いろいろありまして、どうにかこうにか、諒平も天外屋の生活に慣れてきた頃、そいつ…「夜行の者」はやってきた。
諒平が不審感を持つも、気のせいだということにして「記憶」回収作業に取り掛かります。
しかし、邪魔が入って記憶も失われて関係者一同呆然。脈絡もなくじゃがいもの皮むき機「うわばみ」を制作した縞田先生も呆然。見ていた菊子さんと芳玉さんも呆然。
ただ1人ほくそえむのは、闇よりもなお暗き闇をその身に纏う「夜行の者」。
天外屋に関する噂を解明すべく諒平のクラスメートたちが発奮するも天外屋の住人ならではの奇行に巻き込まれて1人、また1人と脱落してゆく。
そんな哀れなクラスメートを横目に、芳玉さん「神来」解放。あっさりと「記憶」を持つものを探し出し、態度には出さずに己の占術の確かさを誇る。
ただし、諒平にはバレバレだったが。ともあれ博打で身を滅ぼしつつある人を正道に立ち返らせて「記憶」を取り戻して2巻終了、3巻へ。
神獣ポン太が下界の気候に順応できず、熱暴走を起こし、シアンと八満と清丸が対応に追いまくられることになる。惨劇の場となった中学校に、夏の熱気を身にまとって柚香隆盛が再び舞い戻ってきた。
秋風が涼を運び始め、柚香も再度姿を消したとき、天空からエルが降りてきて、年に一度の神獣祭が催される。ここでシアンの父が八満の両親に挨拶に行くことになる。シアンを人質に取られたシアンの父はおとなしく天空へ帰っていく。
一段落ついた後、相田千津の再び燃え盛る恋の炎とクリムソン船長の家庭内冷戦を経て、家庭科部を舞台にシアンと千津が激突。
かくして4巻に続く。
シェンナが神獣の調査にやってきて、シアンを慌てさせる。10年後の未来をシミュレートして神獣の成長を確認しようとしたら機械がぶっ壊れ、八満はシェンナをよくわからない論理で慰める。
インターミッションで2-D担任・下加毛幸夫先生登場。シアンの笑顔に心を奪われ、2-Dの面々に面白いように操られ、主観的に理想のクラス運営を行うハメになった彼に幸あれかし。
続いてシアンの姉セリーズが現われ、シアンとの姉妹喧嘩が勃発。裏で清丸も暗躍して存在感を見せつけていたが、その清丸がセリーズの意外な申し出にうろたえてしまう。
気が付けばまたしても夏が訪れる。すなわち――柚香隆盛、死の淵より生還す。八満との勝負の場となったカレーショップ「なますて」での大食い選手権のあと、秋の訪れに追われるように柚香が舞台から退場した。
陽光が踊る天空の墓地でキッドが母の墓参りに。母の想いをキッドが受け入れて、以下5巻。
何の前触れもなくあの孔雀院碧子様が恋わずらいに。八満と千津が協力するも孔雀院様の100年の恋は冷めてしまう。
千津と八満には進展なし。がんばれ千津ちゃん。
乙部清丸のほのかな恋心も光奈先生の結婚とともに想い出に。
シアンは八満の性格を矯めようとして、実際に八満は品行方正になって周囲を驚かせるが最後に地が出てしまって失敗。シアンも反省……したのか?
千津の前にサッカー部の高橋が出現するが、八満への想いの前に高橋玉砕。
…とまぁ周囲がいろいろ騒がしい中、肝心の神獣ポン太は……でっぷりと太っていた。清丸にポン太用ギプスを勝手に着せられ、しかもレンタル料が取られることにガマンできない八満は過酷なダイエットを強制、シアンとつかみ合いにならんばかりの口論を展開する。
結局ダイエットはうやむやになったのだが、清丸の手には超高級料理店「神楽星」のチケットがあったことから2-Dの面々は女はオーキッドと、男はシアンとのデート権をゲットするためにクラスメート同士火花を散らしあった。
この後、ポン太のホームページが開設されるも清丸によってクラックされる。管理人の濱元もシアンによって瞬殺。「神獣の寝床」も存続の危機を迎えながら6巻に。